起訴される前に弁護士をつけた場合の手続き

一般的な刑事手続きがどのように行われるかについては、他の事務所のページや解説しているサイトが他にも沢山あります。そのため、ここでは架空のケースを例にして、弁護士がどのような活動をおこなうのか、わかりやすく説明していきたいと思います。

一つ目の例は、迷惑防止条例違反(痴漢行為)の事例です。
山田一郎さんは会社帰りに友人とお酒を飲んだ後、電車で家に帰る途中で、女性に痴漢行為をしてしまいました。
山田さんの妻、花子さんは夫が家に帰ってこず、心配して次の日の朝に警察に捜索願いを出そうとしたところ、「一郎さんが痴漢行為で逮捕されていること」「一郎さんが痴漢行為を認めていること」を聞かされました。それを聞いて驚いた花子さんはあわてて知り合いの弁護士がいる法律事務所に電話をかけ相談することにしました。


花子 これからどうなるんでしょうか?

弁護士 まずは落ち着きましょう。旦那さんは本件以外に罪を犯してしまったことはありますか?

花子 真面目な人なので、多分ないと思います。

弁護士 わかりました。本人に確認する必要はありますが、前科前歴がなく罪も認めているのであれば示談が成立すれば不起訴になるケースが多いですよ。
また、示談ができなかった場合でも、他の事例と比較すると、本件で実刑、つまり刑務所行きということになる可能性は極めて低いです。

花子 そうですか、少し安心しました。

弁護士 それから旦那さんはお仕事は何をされていますか?

花子 不動産の営業をしています。

弁護士 勤めて何年くらいかわかりますか?またおおよその年収も教えてください。

花子 大学を卒業してからずっとですので、20年になります。年収は、額面で700くらいです。

弁護士 わかりました。それからお子さんは二人でしたよね。おいくつでしたっけ?

花子 上の娘が14の中2で、下の息子が11歳で小6です。あの、子どもの受験や就職で不利になったりするのでしょうか。

弁護士 お子さんの将来には影響ありませんから、安心してください。まだ逮捕された段階で起訴されたわけでもないですし、実名が出るようなニュースにもならないはずです。不起訴になった場合はいわゆる前科もつきませんから。

花子 そうですか。あの、弁護を頼みたいのですが引き受けてもらえますか?

弁護士 はい、大丈夫ですよ。弁護士費用を説明させていただきますね。
・・・・。
ということになりますが、ご不明な点はございますか?

花子 いえ、大丈夫です。

弁護士 それでは弁護人選任届けと契約書にサインをお願いしますね。それから早期の釈放のため奥さんの身元引受書を警察、検察に提出しますので、こちらにもお願いします。 
弁護方針は本人と面会してから確定しますが、事実に間違いがないということであれば示談交渉に入るということになると思います。具体的には・・・。

花子 わかりました。

弁護士 面会が終わりましたら、またご連絡しますので。


弁護士は花子さんから着手金を受領し、すぐに東京警察(仮名)に向かいました。
東京警察に着くと、弁護士は留置係で接見の申し込みをおこない、すぐに一郎さんと面会をすることができた。

その結果、本人から以下の事情を聞くことができた。

  • 痴漢行為をしたことに間違いはないこと
  • 駅員には自分はやっていないと嘘をついてしまったこと
  • 警察では本当のことを話していること
  • 明日、検察庁で取り調べがあること

弁護士はさらに、本人の身上経歴や本件行為の具体的な態様、今後の方針の希望を聞いた。それから黙秘権や供述調書の意味、今後の手続きについて本人に理解させた。


その後、弁護士は「示談交渉に入りたいので、被害者に確認をとってください」と警察に要請した。また、花子さんに面会の報告と今後の見通しを説明し、示談交渉及び検察官に提出する意見書作成の準備に入った。


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